習い始めのバイオリンは、安くていい?!

高い楽器じゃなくてもいい?

「まだ習い始めたばかりの子どもに、高価な楽器を与えるのは躊躇する・・・」

という人は多いのではないでしょうか。

 

「本人は『習いたい』って言うけど、続けられるかどうかわからないし・・・」
 
「まだおもちゃと区別がつかなくて、壊してしまいそうで不安・・・」

 

など、悩むのも当然です。

 

「でも、高い楽器を買わないと上達しないのでしょう?」

 

と思っている人も多いのですが、むしろ「分数バイオリンのうちは、高い楽器を買う必要はない」と提案します。
 

その主な理由は二つ。
 

一つめの理由は、傷がつくから、です。
 

楽器には傷がつきます。長年バイオリンを弾いている大人でも、小傷は日常茶飯事です。まだ楽器を扱いなれない子どもであれば、たくさんの傷がつくことは覚悟しておくべきです。
 

バイオリンは薄い木の板を張り合わせて作られた繊細な工芸品です。しかし、だからと言って傷がつくのを恐れて子どもが触ろうとするのとを「ダメ!」と制止してしまっては、素晴らしい音楽は生まれません。
 

だから「怖くて触らせられない」お値段の楽器より、気軽に触れる楽器のほうがよいのです。
 

二つめの理由は、高価な楽器と比べて音の差が無いから、です。
 

子ども用の分数バイオリンは、値段が高いからといって劇的に音が良くなるわけではありません。
 

バイオリンは本体の空洞部分が音を響かせています。空洞部分がスピーカーの役割をしていると考えたらよいでしょう。小さい楽器は空洞も小さいため、大きく音を響かせることができません。高い楽器や高い弦を探すより、サイズをひとつ大きくしたほうが音の響きは変わります。
 

ですから、高い楽器を買う予算は将来の大きな楽器のために取っておいてください。練習を続けた何年か後には今よりずっと上達して、いろいろな曲を弾けるようになっていることでしょう。その時こそ、良い音のでる楽器を探してあげてください。
 

最初から高い楽器を買って「高い楽器だからあまり触っちゃダメ」と制限するなら、バイオリンの上達には逆効果です。むしろ、お手頃の楽器を毎日触って、何度も練習して、音の出し方を工夫して、思いっきり弾くほうが、バイオリンは上達します。
 

子ども用サイズの楽器は、いずれサイズが変わるので使用期間は長くありません。上手に選んでバイオリン生活を楽しんでほしいと思いますので、予算を考える際のヒントになれば幸いです。